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2019.09.12更新

今回は前回の続きとして、消費税簡易課税制度の重要な要素である『みなし仕入率』について、解説したいと思います。

【みなし仕入率とは?】
『みなし仕入率』とは、事業者が営む業種別に、「この事業なら概ねこのぐらいの仕入率であろう」と国税庁が業種ごとに定めた仕入率を言います。

具体的には以下の表のように区分されています。

 

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【①第一種事業】
他の事業者から購入した商品を性質、形状を変更しないで、そのまま他の事業者に販売する事業を指します。

【②第二種事業】
他の事業者から購入した商品を性質、形状を変更しないで、販売する事業で第一種事業以外のものを指します。

第一種事業との違いとしては、販売先が『事業者』か『一般消費者』かにより取り扱いが異なるというイメージです。

【③第三種事業】
農業、林業、漁業、建設業、製造業、電気ガス水道業などを指します。
また、製造過程で発生した作業くずについても、売却した場合は売却先に問わず第三種事業に該当します。

ただし、2019年10月1日以降は消費税の軽減税率の導入に伴い、『食用の農林水産物を生産する農林水産業』については、『第二種事業』としてみなし仕入率80%で計算を行います。

みなし仕入率については、時代の変化に合わせてその状況に応じて改正が行われており、
2015年4月1日にも『実際の課税仕入の率』と『みなし仕入率』に大きな乖離があるとして、『金融業・保険業』について第四種事業(60%)⇒第五種事業(50%)に変更、
『不動産業』について第五種事業(50%)⇒第六種事業(40%、新設区分)に変更という改正が行われました。
今後もその実態に応じて仕入率を変更する傾向が続くと思われます。

【④第四種事業】
主に飲食店業や、材料を支給されて行う建設業や製造業、事業用の固定資産を売却した金額などが該当します。

建設業や製造業の材料については、有償支給の場合は『製造業』の第三種事業に該当し、
無償支給の場合は『加工賃を対価とする役務の提供』として第四種事業に該当し計算上の取り扱いが異なります。
そのため、1つ1つの仕事について明確に区分する必要があります。

【⑤第五種事業】
上記の区分のうち、サービス業についてホテル等の宿泊業、税理士のような士業、
ソフトウェアやデザイン制作などが該当します。

これらの業種については、費用関係が主に人件費で構成させているという理由から、
みなし仕入率は他の業種に比べ低めに設定されています。

【⑥第六種事業】
上記に記載の通り、2015年4月1日の改正により新設された事業区分です。

不動産業についても、主な費用が人件費と管理費等しか発生せず『みなし仕入率』の方が『実際の課税仕入の率』より高くなっているという理由から改正が行われました。

なお、不動産業といってもそのすべてが第六種事業に該当するわけではありません。

第六種事業に該当するのは不動産業の中でも『不動産仲介業・管理業・賃貸業』であり、
『他の事業者から購入した不動産を売却した場合』は第一種、もしくは第二種事業、
『自分で建てた不動産を販売する場合』は第三種事業、
『自分の賃貸業に使用していた不動産を売却した場合』は第四種事業に該当します。

【まとめ】
上記でご紹介した区分は基本的な分類であり、実際の取り扱いにおいては取引の1つ1つにより分け方が異なってきます。

簡易課税制度の適用を考える方は、まずは自分の事業がどの業種に該当するかを把握したうえで検討を行うことをおすすめします。

投稿者: 笘原拓人税理士事務所

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